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アメリカと日本の租税条約について


租税条約は海外ビジネスを展開する上でとても重要なものです。本日はアメリカと日本の租税条約についてご紹介させていただきます。

1.租税条約とは?

(1)租税条約の定義

日本も、諸外国と同様に租税条約を締結しており、アメリカ、イギリス、中国など様々な国々と租税条約を締結しています。「租税条約」は、課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の排除、脱税・租税回避への対応等を通じて、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資する目的で、国家間において締結される国家間で締結される条約です。

(2)日本が締結する租税条約

日本は、現在世界100カ国・地域と66の条約等を締結しております(2016年10月1日現在)。とりわけ二重課税の弊害を解消をするため、ある国の企業が海外で得た所得を一方の国(居住地国)か、他方の国(源泉地国)かのいずれかの国でのみ課税されるというルールにするという考えを採用しております。

アメリカと日本の租税条約もこのような考え方に基づいています。すなわち、日本の企業や個人がアメリカで稼いだ所得は、もっぱら日本でのみ課税でき、アメリカでは課税することはできないとお互いの国の租税に関する法律の規定をを超えて定められております。

2.日米租税条約とは?

(1)日米租税条約の発効・適用

「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約」は日米新租税条約とよばれます。この条約は平成16 年3月30日に発効され、源泉所得税については平成16年7月1日から適用されました。

日本とアメリカの戦略的同盟国家という経済的に緊密な二国間関係を前提に、投資交流を促進するために投資利得に関する源泉地国課税を大幅軽減するとともに、それにともなう脱税防止を規定しています。日米新租税条約では、配当や利子、使用料などについて源泉地国での大幅な税の減免や、特典条項などの従来の条約例にない規定が含まれています。

(2)日米租税条約の特徴

日米租税条約は以下のような特徴を有しています。

①基本的に最新のOECDモデル条約に準拠している
②配当等の投資所得や知的財産の使用料に係る所得に対する源泉地国課税を大幅に削減している
③多様な事業体に係る課税上の取り扱いにつき調整が図られている
④条約の濫用を防止するための規定が数多く盛り込まれている

(3)日米租税条約のポイント

日米租税条約の具体的なポイントとしては以下の通りです。

①投資所得の免税
・持株割合50%超の親子会社間配当
・金融機関等の受取利子
・使用料(著作権や特許権等)
※投資所得(配当、利子、使用料)の源泉地国の課税を軽減

 
改正前
改正後
配当親子間配当
(持株割合10%以上)
10%免税(持株割合50%超)
5%(持株割合10%以上50%以下)
ポートフォリオ配当
(その他)
15%10%(その他)
利子10%免税(金融機関等受取利子
10%
(その他)
使用料10%免税

②移転価格税制の予見可能性の確保
移転価格課税について、課税年度終了時から7年以内に調査を開始した場合にのみ課税処分を行うことができるように制限することにより予見可能性を確保

③条約違反の米国立法に対する協議
米国が条約に反する国内立法を行う際には3ヶ月以内の協議開始を義務付け

④支店利子税の免税措置
在米邦銀等の支店に係る支店利子税を免税

⑤エクサイズ・タックスの免税
外国保険会社に係る米国の特別な税(エクサイズ・タックス)を免税

⑥課税の取扱いが異なる事業体に対する条約の適用関係
両国間で課税上の取扱いが異なる事業体に対する条約の適用関係を規定

⑦租税回避行為の包括的防止措置
免税措置の拡大に併せて租税回避行為を包括的に防止する措置を導入

(4)日米新租税条約全文

以下の財務省のHPから日米新租税条約の全文について確認することができます。

・「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国との間の条約」(和文英文(200KB / 78KB) ) 
・「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国との間の条約に関する交換公文」(和文英文(61KB / 13KB) ) 

3.日米新租税条約の特典の要件

(1)特典条項に定める一定の条件とは?

日米新租税条約の特典である税の減免等を享受するには、米国居住者は、条約の特典を定める各条項の要件を満たし、いわゆる特典条項に定める一定の条件も満たさなければならないこととされました。

平成16年の日米新租税条約では、投資所得に対する源泉地国免税の範囲が拡大され、日米新租税条約の適用を受けるためには、受益者は相手国の居住者である必要があります。そして、適格者基準、能動的事業活動基準、権限ある当局による認定の条件を満たすことが必要です。

(2)適格者基準

適格者基準では、受益者は、一定の公開会社やその関連会社、公益団体、年金基金、株式などを所有していることが必要で全ての所得について特典を受けることができます。

(3)能動的事業活動基準

能動的事業活動基準は、適格者基準に該当しない相手国の居住者でも、居住地国で営業又は事業の活動に従事し、所得がその営業・事業活動に関連又は付随して取得される場合には、その所得については条約の特典が受けられます。

(4)その他の留意点

また、適格者基準に該当せず、所得についても能動的事業活動基準を満たさない相手国の居住者でも、その設立等が条約の特典を享受することを主要な目的とするものでないと権限ある当局に認定された時には、条約の特典を受けることができます。

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